鼓膜(こまく)の内側の空間である中耳に炎症が起きた状態で、乳幼児の急性感染症の代表的なものです。
子どもの耳管は大人に比べて太く短いため、6ヵ月~5歳ごろまでによく起こります。
原因
原因は肺炎球菌、インフルエンザ菌が大部分です。
細菌・ウイルス感染症、鼻副鼻腔炎、咽頭炎などの上気道感染症に続いて、上咽頭から耳管を経由して炎症が及びます。
薬が効かない最近では肺炎球菌、耐性インフルエンザ菌の頻度が急増し中耳炎が重症化したり、長引く場合も増えてきており、早期の治療が重要です。
症状
耳痛や耳だれ、発熱、耳閉感(じへいかん)などですが、小さな子どもでは耳痛を訴えず発熱のみのこともあります。
子どもの場合、小児科を受診することが多いのですが、早期診断のためにも、耳を気にしている様子がみられる時には、耳鼻科に行きましょう。
治療法
中等症以上には抗菌薬の内服が基本で、通常ペニシリン系が最初に選択されます。重症例や抗菌剤5日間投与で改善が認められない時は、鼓膜切開が行われます。
鼓膜は切開しても数日で閉鎖し、難聴などの後遺症は起こさないので、必要な時は恐れず鼓膜切開を受けてください。